Editorial

AIを活用したヘルスケアへの移行をどうサポートするか

Nature Medicine 30, 3 doi: 10.1038/s41591-024-02897-9

医療システムを長期的に持続可能なものにするためには、人工知能(AI)やデジタル技術の入念な試験と現実世界での検証が必要である。そう遠くない将来、世界の人口は今よりもはるかに高齢化する。そこで医療水準を維持したまま現行のシステムのコストを削減し、その範囲と質を高められるデジタルツールや計算ツールに注目が集まっている。とはいえ、「AIを活用した」ヘルスケアへの移行が実現すれば広範な公益をもたらす可能性があるが、リスクがないわけではない。では、AIの計り知れない可能性を実現するためには、どのような方法があるのだろうか? 第一に、前向きな試験と検証が重要である。第二に、AIがヘルスケアの状況でヒトとどのように相互作用するかについての理解を深めるべきである。第三に、AIツールやデバイスの評価は、生産性の向上といった、運用上の測定値のみによって行われるべきではない。最後に、AIによって健康格差をさらに拡大させたり、新たな格差を生み出したりしないようにする必要がある。本誌はこのような観点から、臨床試験、前向き観察研究、実臨床での導入や費用対効果の研究など、特に資源が限られた環境でのAIのヘルスケアへの導入を支援する新たな研究の投稿を奨励する。

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