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神経変性疾患/自然言語処理:神経変性疾患において疾患の臨床軌跡を自然言語処理により明らかにする
Nature Medicine 30, 4 doi: 10.1038/s41591-024-02843-9
神経変性疾患は大きな臨床的不均一性を示し、誤診されることがよくあるが、この不均一性は無視されることが多く、研究することが難しい。従って、この複雑性に対処し、診断、予後、基礎研究を改善するには、大きな剖検コホートを用いた革新的なデータ駆動型手法が必要である。今回我々は、オランダ脳バンクのドナー3042人に関する疾患の臨床軌跡(自然言語処理により明らかになった84の神経精神病学的な徴候と症状を含む)について報告する。この比類ない研究資源は、神経変性疾患の症候学について新しい貴重な知見をもたらす。我々は、誤診されることの多い疾患の間で一致しない徴候と症状を特定し、これらについて説明する。また、予測モデル化を行って、さまざまな脳疾患の臨床的サブタイプを特定し、神経の下位構造がこれらから異なる影響を受けていることを明らかにした。最後に、臨床診断情報を統合すると、かなりの割合のドナーで診断が不正確であり、別の疾患と見なされていたことが明らかになった。この比類ないデータセットにより、神経変性疾患全般に対して徴候や症状の臨床所見を研究し、関連する分子的特徴や細胞的特徴を発見することが可能になる。