Press Release RNA干渉とパーキンソン病遺伝子 2003年12月1日 Nature Medicine 9, 12 doi: 10.1038/nm964 ウイルス介在型RNA 干渉とよばれる技術を使ってパーキンソン病のマウスモデルが作出された。R J DiLeone たちはアデノ随伴ウイルスを用いて、折りたたみ構造をもつ二本鎖RNA(短いヘアピン型RNA とよばれる)を、成体マウスの脳のなかの特定領域の細胞へ導入した。RNA は、神経伝達物質ドーパミンの産生にかかわる酵素、チロシンヒドロキシラーゼ(TH)の発現を低下させた。その結果現れたマウスの運動能力障害はパーキンソン病の症状に似ていた。これまでの遺伝子ノックアウト技術では、TH は完全に排除され、マウスは生後3 週間以内で死に至る。ウイルス介在型RNA 干渉は、マウス以外の動物で疾患モデルを短期間に作製して、疾患原因遺伝子の同定や新しい治療法のテストを行うのに使えるかもしれないとDiLeone たちは述べている。 Full text PDF 目次へ戻る