Research Highlights
ナノ粒子界面活性剤:界面でのジャミング
Nature Nanotechnology 2013, 1213 doi: 10.1038/nnano.2013.278
2種類の液体の間の界面を用いて、ナノ粒子の集合を誘導することができる。ナノ粒子の濃度が十分に高いと、こうした界面は移動性を失い、固体のような性質を示し始める。これは、界面ジャミングと呼ばれるプロセスである。マサチューセッツ大学アマースト校(米国)と東北大学のT Russellたちは今回、電場を用いてこのジャミングプロセスを操作し、さまざまな非平衡形状の液滴を安定化できることを示している。
最初に、Russellたちは、安定な球状液滴を作った。油中に懸濁した水滴に親水性のポリスチレンナノ粒子を分散させた。親油性分子を油に加えると、親油性分子がナノ粒子と相互作用して、ナノ粒子界面活性剤が形成された。この界面活性剤が水と油の界面で自己集合して、ジャミングした不規則なナノ粒子集合体が作られる。こうして作られた球状液滴は、外部電場をかけることにより変形できる。そうすると、液滴の表面積が増え、界面により多くのナノ粒子界面活性剤を形成できるようになる。電場を切ると、この液滴は非平衡形状のままになった。
この変形ジャミングプロセスは何度も繰り返すことができ、さまざまな方向に電場をかけることで、さまざまな特異な形状を生み出せる。