Research Highlights

DNAナノ構造体:形を変える連結DNAマシン

Nature Nanotechnology 2013, 813 doi: 10.1038/nnano.2013.163

DNAは用途の広い分子で、これを用いてさまざまな複雑な自己集合ナノ構造体やデバイスを作ることができる。例えば、DNAを用いて、2つの異なる状態に切り替わることができる二量体や超格子など、動的ナノ粒子構造体の集合が誘導されている。ヘブライ大学(イスラエル)とオハイオ大学(米国)のI Willnerたちは今回、DNAの連結環を用いて、配列を切り替えてスペクトル特性を調節できる金ナノ粒子の配列を作り出した。

Willnerたちは、閉環状のDNAが3つ連結されたナノ構造体を用いた。このナノ構造体は、フューエル(fuel)DNA鎖とブロッカー(blocker)DNA鎖を用いて、異なる立体配置に変形できる。この連結構造体に、2つ、3つあるいは4つの大きさの異なる金ナノ粒子をDNAテザーで結合して、金ナノ粒子の切り替え可能な配列が作成された。その結果、異なる金ナノ粒子間の距離を調節することで、ナノ粒子間のプラズモン結合相互作用を制御できた。同様に、このDNAナノ構造体に結合している蛍光物質と金ナノ粒子間の距離を調節することで、表面増強蛍光と蛍光消光現象を検出できた。

Willnerたちは、彼らの連結DNAマシンを用いて、さまざまな大きさと組成のナノ粒子の集合体の基本的な特性を調べることもできる可能性があると示唆している。

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