Research Highlights
光ビームリソグラフィー:ナノスケールの3D形状を作る
Nature Nanotechnology 2013, 813 doi: 10.1038/nnano.2013.164
ナノスケールの電子デバイスのトップダウン製造は、電子ビームリソグラフィーに依存しているが、その分解能は数ナノメートルであり、用いる感電子性樹脂によって制限される。電子ビームリソグラフィーは、三次元形状を作るのには適していないため、光リソグラフィーに基づくもう1つの手法が開発された。この手法は、集束レーザービームを直接描画に利用している。しかし、光リソグラフィーで実現できる最小加工寸法は、回折によって数百ナノメートルに限定される。スウィンバーン工科大学とCSIRO(ともにオーストラリア)のM Guたちは今回、9 nmの形状を作成でき、52 nmの2線分解能(2つの形状間の最小距離)を実現できる、三次元光ビームリソグラフィーを開発している。
機械的強度の高い感光性樹脂と2ビーム配置を用いることで、分解能の向上が実現された。この感光性樹脂には、光重合と光阻害の両方の活性化チャネルがあり、波長800 nmの光ビームが書き込みビームとなり、もう1つのビームが阻害ビームとなって、書き込みビームによって生じた光重合を空間的に閉じ込める。この方法によって、書き込みビームの回折限界(約250 nm)よりかなり小さい加工寸法と分解能を実現できた。