Research Highlights

結晶:湾曲した表面での結晶成長

Nature Nanotechnology 2014, 314 doi: 10.1038/nnano.2014.48

結晶化はどこにでもある現象で、数世紀にわたって研究されている。しかし、結晶化に対する基板の湾曲の影響は、機能化ナノ粒子やウイルスキャプシドなどの湾曲したナノ構造体の成長を調べる手掛かりが得られる可能性があるにもかかわらず、よく分かっていない。この問題に取り組むため、ハーバード大学(米国)のV Manoharanたちは今回、球状の水滴の内壁での二次元コロイド結晶の成長を調べている。

Manoharanたちは、共焦点顕微鏡法を用いて、さまざまな曲率の油中水滴におけるポリスチレン微小球の集合を調べた。ポリスチレン微小球は、より小さなポリマーナノ粒子と混合され、微小球の間に短距離の枯渇引力が生じる。この枯渇引力はエントロピー的な力で、微小球の間の領域からナノ粒子が排除されることで生じる。さらに、この力によって微小球が水滴の界面に閉じ込められる。

数時間にわたって、分岐したリボンのような領域を微小球が形成し、何もない広い空間が水滴にできることが分かった。平坦な表面に結晶が成長するなら、こうした空隙は他の微小球によって埋められるであろう。しかし、湾曲した表面では、弾性応力が存在し、こうした破れた構造を形成することで最小化されるのである。

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