Research Highlights

DNA折り紙:動く折り紙

Nature Nanotechnology 2015, 215 doi: 10.1038/nnano.2015.13

DNA折り紙は、長いDNA鎖を複数のより短い「ステープル」鎖を用いて折り畳み、あらかじめ決められた形状を作る手法である。この手法を用いて、さまざまな二次元や三次元の複雑構造体が作られているが、作成された構造体は、動かないか、動くことができてもその動作が限定されていることが多い。オハイオ州立大学のC Castroたちは今回、巨視的な機械設計をナノスケールに移すことで、二次元運動や三次元運動をプログラムできる折り紙構造体を作った。

Castroたちはまず、堅い二本鎖DNAと柔軟な一本鎖DNAを組み合わせて用い、単純な角運動ができる折り紙ジョイント(ヒンジ)と直線運動ができる折り紙ジョイント(スライダー)を作成した。こうしたジョイントを組み合わせ、ヒンジを3つ、スライダーを1つ用いたクランクスライダーや、小さな束と広がった枠の間で変形できるヒンジを4つ用いたBenettリンクなど、より複雑な動きができるデバイスを作ることができた。さらに、Castroたちは、DNA入力鎖を用いて、Benettリンクのコンホメーションを可逆的に変化させられることも示している。

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