Research Highlights

巨大分子:オーダーメード

Nature Nanotechnology 2016, 316 doi: 10.1038/nnano.2016.33

構成要素の組成を原子レベルで設計して、自己組織化構造体の巨視的性質を制御することは、ナノ科学における目下の課題である。この目標に向けて、アクロン大学(米国)、テキサス州立大学(米国)、ストラスブール大学(フランス)、北京大学(中国)のW-B Zhang、Y LI、S Chengたちは今回、一次構造が精密に定まっているとともに、巨視的形態と化学的性質も予測できる、自己組織化ポリマーナノ粒子を作製したことを報告している。

Zhang、LI、Chengたちは、アジド官能化ポリスチレンを出発点とし、アジド基とアルデヒド基を両方持つかご型シルセスキオキサンを結合させた。次に、連続的なクリック化学反応によって、ポリマー鎖を引き延ばし、別のかご型シルセスキオキサンを付け加えた。さらに、小さなリンカーを付けることによって、主鎖を線状分子鎖か枝分かれ分子鎖のどちらかにすることができた。最終的な巨大分子の大きさは、約20 nm程度になった。こうした巨大分子の大半が、鎖の長さ、かご型シルセスキオキサンの官能化、ポリマー主鎖の枝分かれに依存して自己組織化して、さまざまな規則正しい超分子構造体を作り、さまざまな界面化学的性質が生まれる。

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