Research Highlights

プラズモニクス:ギャップの中の化学反応

Nature Nanotechnology 2017, 1217 doi: 10.1038/nnano.2017.240

コロイド粒子の集合は、ランダムな凝集の結果として実現されることが多いが、この方法では、均一性の高い集合体の形成が阻まれる。より困難ではあるがより優れた方法は、溶液相におけるブラウン運動を妨げてナノ粒子の凝集を導くことであると思われる。Thriftたちは今回、この方向での取り組みとして、均一なナノ粒子集合体を作る方法を報告している。この方法では、導電学的な長距離相互作用が存在することによって、溶液におけるブラウン運動が弱められる。

著者たちは、リポ酸リガンドで官能化した金粒子をシリコン電極の上にシードした。溶液に電圧バイアスをかけると、静電ポテンシャルが生じ、溶液相の他の官能化粒子がシードしたナノ粒子の方へ引きつけられる。この引力は、表面に平行な方向でより大きいので、凝集の大半が水平方向に生じる。ナノ粒子が互いに近づくと、カルボジイミドの存在下でリポ酸リガンド間の化学反応が起こる。その結果、無水物リンカーが形成され、ナノ粒子の間隔が0.9 nmという一定の距離に保たれる。注目すべきは、ギャップ空間では、最大電磁場強度の恩恵を受けるので、表面増強ラマン分光法(SERS)によってこの化学反応を追跡できたことである。Thriftたちは、この方法で、1 mm2の面積にわたってSERS信号が均一に10%増強されることを実証している。

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