トポロジカル超伝導：非自明のジョセフソン接合

トポロジカル結晶絶縁体は、トポロジカル絶縁体の一種である。スピン–軌道結合ではなく、特定の結晶対称性によって、表面以外は絶縁性のこの物質に非自明の金属表面状態が生じる。こうした絶縁体を超伝導状態にすれば、トポロジカル超伝導体になる。トポロジカル超伝導体は、電子と正孔が一致するマヨラナ準粒子を伴っていて、誤りに対する保護を本来的に備えたキュービットの作製に役立つ可能性がある。

今回R Snyderたちは、超伝導体のアルミニウムと、トポロジカル結晶絶縁体のPb_0.5Sn_0.5Teでできた弱結合から、ジョセフソン接合を作った。そして、輸送測定によって、自明なジョセフソン接合に見られる一般的な特徴に加えて、電流と位相の通常の正弦関係からのずれを示す特徴が明らかになった。透過率の高い付加的な輸送チャネルによってそうしたずれが生じるので、この結果は、超伝導電流がコンダクタンスの低いバルク状態によって完全には運ばれていないことを示す十分な証拠である。その代わりに、超伝導電流の一部は、トポロジカル結晶絶縁体表面にある対称性を破るステップ端によって生じた1Dスピン偏極状態を通して伝わっている可能性がある。あるいは、トポロジカル絶縁体の2D表面状態によって、コンダクタンスの高いチャネルを説明できる可能性もある。どちらにしても、この実験は、トポロジカル超伝導体（今回はトポロジカル結晶絶縁体から作られている）が実現されたことを示している。