Research Highlights

神経形態学的コンピューティング:アラカルトの人工ニューロン

Nature Nanotechnology 2018, 1218 doi: 10.1038/s41565-018-0335-4

人工ニューロンで構成される神経形態学的ネットワークは、新しい形のエネルギー効率の良い脳型コンピューティングをもたらす。しかし、これまで人工ニューロンの実証は積分発火挙動に限られており、計算の複雑性やダイナミクスの点で生体ニューロンに大きく後れを取っていた。今回Yiたちは、単一の持続性モード、相同性モード、混合モードの興奮性をエミュレートするニューロン回路を報告し、23種の生体ニューロンの発火挙動を実験的に観測している。

著者たちは、第一歩として、SiNx被覆シリコン基板上のVO2でできた活性メモリスターを開発している。このメモリスターは、電鋳法を使わずに作られており、スケーラブルで耐久性が高く、デバイス間のばらつきが小さい。VO2活性メモリスターとは別に、この人工ニューロンの基本的な回路トポロジーは、他の2種類の回路素子、キャパシターと負荷抵抗器からなっている。彼らは、受動回路部品と作動パラメーターをカスタマイズすることによって、持続性発火、混合モード発火、相同性発火を含む3種全ての発火挙動を実現できた。特に、新たに実証された相同性の興奮性は、負荷抵抗器をキャパシターに置き換えるだけで実現できた。最後に、このニューロンは、入力雑音に敏感な確率的に位相同期した発火を示す。これは、生体ニューロンに一般的に見られる挙動である。

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