Research Highlights

メモリーデバイス:原子レベルのメモリー

Nature Nanotechnology 2018, 218 doi: 10.1038/s41565-018-0074-6

高密度データ記憶の技術的進歩は、メモリーデバイスの小型化に依存している。デバイスの最小形状の物理的な限界を決める原子レベルの薄さの材料によって、メモリーがさらに小型化され、この目的が達成される可能性がある。今回R Geたちは、単層シートでは不揮発性スイッチングは起こり得ないという一般的に認められている考えに反して、典型的な垂直型金属–絶縁体–金属(MIM)構造の単層メモリーデバイスを報告している。

Geたちは、アトムリスターと呼ばれるクロスバー型MIMデバイスで4種の異なる単層遷移金属ダイカルコゲナイド(TMD)を試した。この原子メモリスターは、エレクトロフォーミング段階を必要としない不揮発性の抵抗スイッチングを示し、オンオフ比は104を超え、プログラミング電圧は1V以下である。高結晶質のTMD単層によって、Au電極とのシャープな界面ときれいなトンネル障壁が形成されるため、漏洩電流が大きく減少する。実験結果から、最も成績のよかったMoS2原子スイッチにおいて、最長で1週間不揮発性状態が維持され、機械的なサイクルエンデュランスが高いことが確かめられた。以前に実証された横型MoS2原子デバイスと違って、この垂直型アトムリスターは、フットプリントが小さくエネルギー消費が少ないため、現実的な応用により適している。

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