Research Highlights
生体電子工学:自己回復マルチタスクセンサー
Nature Nanotechnology 2019, 419 doi: 10.1038/s41565-019-0434-x
ヒトの皮膚の形態を模倣する軽量で柔らかい表皮エレクトロニクスは、ウエアラブル・センシング、特に健康管理における応用に有望な候補である。最近、長期にわたって装着している間に生じる機械的な損傷に対処するために、自己回復電子タトゥーが開発された。Q Wangたちは今回、複数の刺激をセンシングするよう設計された、自己回復が可能で生体適合性のある絹の電子タトゥーを報告している。 このデバイスのコンセプトは、グラフェンを柔軟な絹フィブロイン(SF)/Ca2+膜に組み込むというもので、ヒトの皮膚に直接転写できる。このグラフェン/SF/Ca2+複合材は、動的な水素と配位結合が膜内に存在するため、水による損傷後100%の効率でそれ自体を回復させることができる。この電子タトゥーには、複数のセンシング機能がある。特に、歪みセンサーとして使うと、高いゲージ率と優れた引っ張り歪み耐久性を示す。湿度センシング性能は、再現可能で安定であるとともに、応答速度と回復速度が速い。意外なことに、このウェアラブル・デバイスの温度検出感度は、これまで報告されている炭素系温度センサーに匹敵するか、より優れている。