Research Highlights
2D材料:2D 有機分子デバイス
Nature Nanotechnology 2019, 519 doi: 10.1038/s41565-019-0455-5
有機分子の二次元(2D)材料をハイブリッドヘテロ構造体に組み込むのは、従来のファン・デル・ワールス積層の作製よりずっとまれにしか行われていない。しかし、この組み合わせから、分子設計を通して機能が調整されるデバイスを作る魅力的な戦略が得られる可能性がある。今回Y Zhaoたちは、2D半導体に物理吸着したフォトクロミック分子に基づいて、光学的にスイッチングできる電界効果トランジスター(FET)を設計する一般的方法を実証している。
著者たちは、ハイブリッドヘテロ構造体を作るために、MoS2と黒リン(BP)のどちらかからなるパターン化チャネル領域の上に、アルコキシ置換アゾベンゼン(AZO)分子を選択的に堆積した。次に、トラップのないポリマーのベンゾシクロブテンを導入して、この光電子デバイスの界面のトラップ密度を減らし、光応答速度を向上させた。トランス/シスAZO分子の密度比を調節することで、2D FETチャネルの可逆的な光誘起ドーピング/脱ドーピングが生じ、その結果、MoS2 FETのいくつかのコンダクタンス状態と、準安定シスAZO分子の15時間を超える長い保持時間が観測された。最後に、Zhaoたちは、AZOの可逆的な異性化特性を利用して、二極性BP FETと、光で調節できる横型p–nダイオードの作製に成功した。