Letter 高屈折率差サブ波長回折格子を組み込んだ面発光レーザー 2007年1月16日 Nature Photonics 1, 2 doi: 10.1038/nphoton.2006.80 半導体ダイオードレーザーは、遠距離通信、ディスプレイ、固体照明、センシング、印刷など、さまざまな用途に利用できる。なかでも、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)は特に有望である。VCSELは、そのウェハーの表面に対して垂直な方向に光を放射するため、より効率よく光を取り出したり、2次元アレイ素子を製作したりできるからである。1つのVCSELは、光フィードバックのための2つの分布ブラッグ反射鏡(DBR)と、両者の間の非常に短い活性利得領域から構成されている。一般的に、VCSELをレーザー発振させるには、DBRの反射率が99.5%を超えている必要がある。しかし、DBR材料候補の光学的・熱的性質が十分でないため、広範囲の波長スペクトルにわたって利用できる実用的なVCSELは、まだ実現には至っていない。本論文では、単層高屈折率差サブ波長回折格子(HCG)を組み込んだ面発光レーザーについて報告する。HCGは、効率的な光フィードバックと、放射する光の波長と偏光の制御の両方を可能にする。このような集積化により、必要とされるVCSELの反射鏡のエピタキシャル厚を2桁小さくし、作製許容誤差を大きくすることができる。この研究は、VCSEL、光電池、青緑色や波長1.3~1.55μm、そして中赤外から遠赤外波長の発光ダイオードの今後の設計に直接影響を及ぼすだろう。 Full text PDF 目次へ戻る