In This Issue テラヘルツトリック 2007年5月1日 Nature Photonics 1, 5 doi: 10.1038/JnphotonInThisIssue56537 最近まで、テラヘルツスペクトル領域(通常波長30~300 μmと定義されている)における物質相互作用の研究は、実用的なテラヘルツ放射源がないため進行が妨げられていた。テラヘルツ波を直接放射し室温で動作する便利な半導体レーザーはまだ実現されていないが、便利な代替法がまもなく利用可能になるかもしれない。M Belkinらは、GaAsの非線形光学特性を利用して、二波長量子カスケードレーザーからの中赤外光を、共振器内差周波発生を通してテラヘルツ光に変換した。この方法は、電気励起半導体レーザーと非線形効果を組み合わせて、室温で動作する連続波テラヘルツ光源を作製したものであり、今回初めて実験的に成功した。現時点では、その光源は出力波長60 μmで約60 nWのテラヘルツ出力を放射するが、将来マイクロワットおよびミリワットの出力が実現される可能性があるとBelkinらは確信している。 Full text PDF 目次へ戻る