In This Issue

ハッカーよ、注意せよ

Nature Photonics 1, 6 doi: 10.1038/JnphotonInThisIssue57128

現代技術および大量情報伝達の世界では、セキュリティーは極めて重要である。量子暗号は、量子「鍵」を二者間で配送して安全に通信する方法を提供する技術であり、データを伝送する光子は量子鍵によって伝送中に保護される。課題は、盗聴者がやりとりされる情報を妨害して会話を盗聴することを防止することである。武居弘樹らの日米研究グループは、伝送路損失42 dBの200 kmの光ファイバー上で安全鍵を生成する量子鍵配送(QKD)の実験についてArticleで報告している。武居らの業績によって、光ファイバーリンク上の地上QKDの距離記録は2倍に塗り替えられている。さらに重要なのは、差動位相シフトプロトコル(10 GHzクロック周波数)と超伝導単一光子検出器を用いることにより、個々の光子への一般的な一括攻撃(collective attack)および関係者間で交換された多光子への特定の攻撃に対して、量子鍵で抵抗できることである。

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