通信光搬送波へのテラヘルツ伝送

GaAs結晶では、光学フォノン吸収による異常分散のため、近赤外線ビームとテラヘルツ（THz）波の間で位相整合した相互作用が起こりうる。我々はこの非線形光学プロセスを利用して、適切に設計されたTHz量子カスケードレーザーに通信ビームを注入することによって、THz量子カスケードレーザー技術と通信技術の融合を可能にした。光共振器内で、光ファイバーを通して送ることができる近赤外ビームに、THz波の位相と振幅が記録される。我々は、このプロセスが位相整合しており、導波路技術によって全通信域にわたって調整できることを示す。この非線形アップコンバージョン技術は、高度化した通信技術を活用することによって、THzの光学的処理に新しい可能性を開くものである。