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相変化物質を利用した光学的に再構成可能なメタ表面とフォトニックデバイス
Nature Photonics 10, 1 doi: 10.1038/nphoton.2015.247
可変焦点レンズやスペクトルフィルターなどの調節可能なパラメーターを持つフォトニック部品は、光刺激によって機能性を変えることができ、多くの有用な応用が考えられている。フォトニック部品の調節は、通常、その構成要素のマイクロメカニカルアクチュエーションやナノメカニカルアクチュエーションによって、あるいは引き伸ばしや加熱によって行われる。今回我々は、光を用いて不揮発的かつ可逆的に形成される再構成可能な光学部品を作製する新しい手法を報告する。こうした光学部品では、目的に合ったフェムト秒パルス列を用いて、屈折率変化を伴う相転移を誘起することによって、ナノスケールの相変化物質膜に二次元のバイナリーパターンやグレースケールパターンとして「書き込み」、「消去」、「書き換え」がなされる。我々は、ゲルマニウム・アンチモン・テルル系膜と回折限界分解能の光書き込みプロセスを組み合わせて、再構成可能な可視領域二色性・多焦点フレネルゾーンプレート、サブ波長集光超振動レンズ、グレースケールホログラム、オンデマンド反射・透過共鳴型の誘電体メタマテリアルといった、さまざまなデバイスを実証している。