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水溶液中でプラズモンナノロッドと相互作用する単一原子イオンの光学観測
Nature Photonics 10, 11 doi: 10.1038/nphoton.2016.177
プラズモンナノ粒子は、その性質が特異なため、化学、健康管理、光学における多くの応用の基礎になる。ナノ粒子に基づく技術は、単一分子分解能で分子相互作用を調べる強力な手段に発展している。今回我々は、この検出能力を使って、水媒質中の単一原子イオンを検出できることを示す。我々は、個々の亜鉛イオンや水銀イオンと、ウィスパリング・ギャラリー・モード・センサーと共鳴的に結合したプラズモン金ナノロッド(NR)の相互作用を測定した。今回のシステムは、永続的な結合と過渡的相互作用を見分けることができ、これによって、両方のイオン種の異なる相互作用動態を調べることができた。過渡的相互作用の検出によって、センサー信号が個々のイオンに由来することを統計的に確かめることが可能になる。さらに我々は、水銀イオンは金とアマルガムになり、亜鉛イオンはやがては高度に局在した表面ポテンシャルのプローブに変わることから、イオンとNRの相互作用が媒質のイオン強度に対してどのように変化するかを明らかにしている。