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光源を電気的に駆動する完全に集積した量子光回路

Nature Photonics 10, 11 doi: 10.1038/nphoton.2016.178

光量子技術によって、量子暗号、量子シミュレーション、量子計算などの応用に量子現象を利用できるようになる。実用的なデバイスに重要な必要条件は、一般的なプラットフォームに単一光子源、検出器、線形光学素子をスケーラブルに集積することである。ナノ光回路によって、複雑な線形光学系を実現でき、導波路を集積した検出器で非古典光を測定できる。しかし、輝度が高く光デバイスと適合する再現性のある単一光子源は、完全に集積したシステムではまだ困難である。今回我々は、光量子回路内に埋め込まれた電気的に駆動されるカーボンナノチューブが放出する光のアンチバンチングを観測した結果を報告する。チップ上で生成された非古典光は、極低温条件下で導波路集積超伝導単一光子検出器によって記録され、光フィルタリングを必要としない。スケーラブルな作製法と蒸着法のみを使っているので、今回の結果は、ハイブリッド量子光デバイスのためのナノスケールの単一光子エミッターとしてカーボンナノチューブが有望であることを立証している。

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