テラヘルツ周波数の超広帯域単側波帯変調器

テラヘルツ（THz）搬送周波数を用いた100 Gbit s^–1を超えるデータレートのワイヤレス高速データ通信が実現しつつある。モバイルアプリケーションの多くはインターネットアクセスを利用しており、THzワイヤレス基地局を光ファイバー無線（RoF）ネットワークなどの世界規模のネットワークに接続する必要がある。今回我々は、（自由空間）THz信号をTHz光変調信号に変換する、スペクトル効率の高い超広帯域THz光単側波帯（OSSB）変調器の実現について報告する。THz OSSBは、光ファイバーにおける色分散によって生じる伝搬損失を軽減し、デジタル変調方式をサポートする。我々は、信号と搬送波用の特別設計のダイクロイックビームスプリッターと、マルチモード干渉構造を有する平面光波回路を用いて、0.3～1.0 THzの自由空間放射のTHz OSSBを実証している。この光学素子配置は、電子信号用のハートレー単側波帯変調器に似ており、超広帯域THzスペクトルにおいて周波数依存性の同調素子なしで必要なヒルベルト変換を行う。