機械的共振の広帯域操作に向けたプラズモニックメタマテリアル吸収体

メタマテリアルは、電磁波や音波に対して通常とは異なる性質を示す人工材料である。電磁波や音波の量子、すなわち光子やフォノンは、多くの応用を可能にするエキゾチックなメタマテリアルと共鳴相互作用する。例えば、フォトニックメタマテリアルにおける光共鳴吸収を利用すれば、光熱効果に基づいて光エネルギーを効率よく熱に変換することができる。今回我々は、光を用いて機械的減衰を制御するために、熱機械的に結合した光学共鳴と機械的共振を同時に担うプラズモニックメタマテリアルを報告する。我々は、電圧で調整できるファノ共鳴を示すこのメタマテリアル吸収体において、プラズモメカニカル・パラメトリック利得機構に基づいて光学的に励起されたコヒーレントな機械的振動を約4 THzの帯域幅にわたって実験的に実現している。また、逆の効果を通して、機械的共振の光学的減衰も実現している。今回の結果は、メタマテリアルを利用して機械的振動子のダイナミクスを光学的に操作する手法をもたらすものである。