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溶液処理によって作製する自己組織化多重量子井戸に基づくペロブスカイト発光ダイオード
Nature Photonics 10, 11 doi: 10.1038/nphoton.2016.185
有機金属ハロゲン化ペロブスカイトは、低温で溶液から作ることができ、有望なオプトエレクトロニクス特性を持つ、結晶性直接遷移半導体を形成する。しかし、そのエレクトロルミネセンスの効率は、欠陥と不完全な表面被覆に起因する漏洩電流に伴う非放射再結合によって制限される。今回我々は、優れた膜形態を持つ自己組織化多重量子井戸(MQW)に基づく、溶液処理ペロブスカイト発光ダイオード(LED)を実証している。この多重量子井戸に基づくLEDは、最大11.7%の非常に高い外部量子効率、高い安定性、極めて高い出力性能を示し、エネルギー変換効率は電流密度100 mA cm-2で5.5%である。この優れた性能は、エレクトロルミネセンスを生じるバンドギャップが狭い領域が、エネルギーギャップの広いペロブスカイト多重量子井戸によって効果的に閉じ込められるために生まれ、非常に効率の高い放射崩壊をもたらす。意外なことに、異なるバンドギャップ領域間の大きな界面領域によってルミネセンスの消滅が生じることを示す証拠はない。