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エンタングル光子を発生生成する発光ダイオード向けのピラミッド型量子ドットパターンアレイへの選択的キャリア注入
Nature Photonics 10, 12 doi: 10.1038/nphoton.2016.203
量子技術の開発において、最近の研究が直面している主大きな課題は、スケーラビリティーと、半導体技術との適合性(例えば、従来のシリコンベースの集積コンピュータープロセッサーに適用する場合など)である。今回我々は、量子情報をエンコードできる可能性がある、位置制御された半導体ベースのスケーラブルなで位置制御された電気駆動式偏光もつれエンタングル光子源アレイを、大規模に製造可能にし得る量子フォトニック技術について報告する。こうした光子を用いて、量子情報をエンコードできる可能性がある。この光子源の設計は、マイクロメートルサイズのピラミッド形のくぼみに結晶方位(111)Bに沿って成長させた量子ドットに基づくものであいており、理論的には高輝度もつれエンタングル光子の発生生成に必要な高い対称性の高い量子ドットが得られる。こうした非平面構造体における選択的電気注入方式によって高密度の発光ダイオードが得られ、中にはベル不等式をも破るもつれエンタングル光子対を生成するものもある。今回のデバイスは、半導体製造技術に適合し、再現性が良好で、リソグラフィー法で位置制御されることから、量子情報処理用のフォトニック集積回路の魅力的な候補となる。