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水波を介する誘導放出によるリプロンレーザー
Nature Photonics 10, 12 doi: 10.1038/nphoton.2016.210
レーザーは、反転分布という形態の量子現象である誘導電子遷移を利用したものである。これに対して、フォノンメーザーは、誘導ラマン散乱を利用したものであり、完全に古典的である。今回我々は、ラマンレーザーをキャピラリー波(表面張力波)に拡張している。キャピラリー波は、物質の液体相に特有で、近接した流体粒子間の引力と関係がある。我々は、キャピラリーモードと光学モードが共存する共振器を作製し、そうしたモードを制御して非分解サイドバンドで動作させ、誘導キャピラリー散乱と、キロヘルツレートでのキャピラリー共振のコヒーレント励起を観測している(我々が記録した音声ファイルで聴くことができる)。我々は、電磁波とキャピラリー波のエネルギー交換によって、液体相境界の界面張力現象と光学の橋渡しをしている。今回の方法は、水波の光学的制御、インタロゲーション、冷却を可能にすることによって光流体工学に影響を及ぼす可能性がある。