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光カー効果を介したレーザーパルスによるファラデー回転のテラヘルツ変調
Nature Photonics 10, 2 doi: 10.1038/nphoton.2015.249
磁気光学ファラデー効果は、光の電磁的性質の解明に重要な役割を果たした。今日では、この効果は、磁性や磁気光学変調器の基本動作原理を調べる強力な手段となっている。テラヘルツ周波数での磁気光学応答の変調を可能にする機構を解明すれば、将来の超高速ファラデー変調器の開発だけでなく、フォトニクス、超高速光磁性、マグノニクスに広範囲に影響を及ぼす可能性がある。今回我々は、反対方向に伝搬するレーザーパルスを用いて、調整可能な超高速磁気光学変調を行う概念的に新しい方法を提案する。我々は、テルビウムガリウムガーネット(Tb3Ga5O12)を使って、1.1 THzまで変調周波数を外部磁場で連続的に調整できる、そうした磁気光学変調を実現できることを実証している。超高速の磁気光学偏光変調の新しい概念の他に、今回の結果から、ポンプ–プローブ磁気光学実験の解釈に伝搬効果の考慮が重要であることが明らかになった。