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過熱されたナノ粒子の構造ダイナミクスのフェムト秒ナノメートル可視化

Nature Photonics 10, 2 doi: 10.1038/nphoton.2015.264

化学反応、極端条件下の物質、超高速相転移、光と物質の強い相互作用などの非平衡現象を理解するには、ナノスケールの試料の超高速構造変化を観測する能力が不可欠である。既に確立されている画像化技術は、時間分解能や空間分解能が限られている上、一般的に試料を基板上に堆積させる必要があるため、ダイナミクスの画像化が妨げられている。今回我々は、単独の単一試料から得たコヒーレントX線回折像を用いて、フェムト秒電子密度ダイナミクスを可視化できることを示す。我々は、典型的な非平衡現象であるナノプラズマ膨張のX線スナップショット像を記録した。強力な光レーザーパルスを用いて単一のXeクラスターを過熱し、単一X線パルスを用いてその構造変化を画像化している。我々は、100 fsの過熱パルス内でプラズマ/真空界面における超高速表面軟化をナノメートルスケールで解像した。今回の研究結果は、ナノメートルサイズの個々の単独試料における不可逆的なフェムト秒過程を、初めて時間分解可視化したものである。

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