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近赤外波形の電気光学サンプリング
Nature Photonics 10, 3 doi: 10.1038/nphoton.2015.269
レーザーパルスの完全な電場発展の測定は、アト秒科学全般に、特に固体物理学における電子現象の精査と制御に不可欠である。電気光学サンプリング(EOS)や光伝導スイッチ、場に誘起される第二高調波発生を利用した場の時間分解測定は、テラヘルツスペクトル領域ではよく行われている。特にEOSは、感度が極めて高く使いやすいため、電荷キャリアダイナミクスやアクティブ光学デバイスの研究を目的とした時間分解分光測定の基本技術となっている。本論文では、綿密な光フィルタリングによって、この技術の帯域幅を1.2 μ m(230 THz)という短波長にまで拡張でき、サンプリングパルスの2.3分の1の半サイクル持続時間が可能になることを示す。我々は、原理証明のためにこの方法を適用して、光パラメトリック増幅(OPA)が数サイクル近赤外(NIR)パルスの電場ダイナミクスに及ぼす影響を測定している。