Article

固体単一エミッターの多波コヒーレント制御

Nature Photonics 10, 3 doi: 10.1038/nphoton.2016.2

どのような量子情報プロトコルであっても、個々の2準位系のコヒーレント制御はその中核である。固体では、半導体量子ドットに捕獲され束縛された電子正孔励起子状態によって生成される2準位系は、光とロバストな結合を示すため、非線形分光法の革新的な方法を通して、それらの光学的な操作が可能になる。今回我々は、フォトニックナノ構造体によって増強された非線形波動混合応答に基づいて、量子ドット励起子をコヒーレントに制御する一連の新しいツールを開発している。我々は、短い共鳴レーザーパルスを3つ用いて、量子ドット双極子に固有のコヒーレンスを自在に操作でき、従ってそのコヒーレント発光のスペクトル時間形状を調整できることを示す。今回、NMR 分光法や量子計算に成功している多パルス量子制御シーケンスを、光学的に活性な固体量子ビットに適用できた。これは、単一エミッターレベルでの高次非線形分光法、超高速量子オプトエレクトロニクス、スペクトル拡散法に応用できる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度