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効率の高い量子ドット近赤外発光ダイオード
Nature Photonics 10, 4 doi: 10.1038/nphoton.2016.11
コロイド量子ドット(CQD)は、ルミネセンスの波長を調節でき、量子効率が高く、溶液処理に適合することから、赤外光源を構成する有望な材料として注目を集めつつある。しかし、現在得られるCQD薄膜は、ルミネセンス効率と電荷輸送が両立できないという問題があるため、電力消費が容認できないほど大きくなる。今回我々は、高移動度ハイブリッドペロブスカイトマトリックスの中にCQDを埋め込むことによって、この問題を克服している。この新しい複合材は、輸送支援トラッピング損失を防ぐことによって、ドット内での放射再結合を高める。しかも、ターンオン電圧を増大させることはない。我々は、混合ハロゲン化物マトリックスの組成を操作して、4.9%という記録的なエレクトロルミネセンス電力変換効率を達成した。これは、これまでに報告されたCQD近赤外デバイスの電力変換効率の2倍であり、ペロブスカイトの中に量子ドットを埋め込むハイブリッド手法の大きな可能性を示している。