Article

高次元の多光子エンタングルメント

Nature Photonics 10, 4 doi: 10.1038/nphoton.2016.12

エンタングルメントは、今日の量子技術の根幹をなしており、光子、イオン、超伝導回路といった多様な物理系で実証されてきた。エンタングル粒子の数については着実に限界が広がりつつあるが、こうした実験は各粒子につき二次元にとどまっていた。今回我々は、粒子数と次元数がともに2を超える多光子エンタングル状態を初めて実験的に生成したことを示す。今回のエンタングル状態では、2つの光子が三次元空間にあり、3番目の光子が二次元にある。この非対称エンタングルメント構造は、d>2の多粒子エンタングル状態にのみ現れる。今回の方法は、軌道角運動量に関して高次元エンタングルした2組の光子対を組み合わせることで実現された。さらに我々は、このエンタングル状態によって新種の「階層化」量子通信プロトコルがどのように可能になるかを示す。こうしたエンタングル状態は、量子力学に存在しうる相関の複雑なダンスを現実化したものとなる。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度