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インジウム・スズ酸化物ナノロッドアレイにおける絶対振幅の大きい可変赤外プラズモンの超高速スイッチング

Nature Photonics 10, 4 doi: 10.1038/nphoton.2016.14

プラズモンの全光制御によって、オン/オフ比の高い高速小型光スイッチが可能になりうる。今回我々は、インジウム・スズ酸化物ナノロッドアレイ(ITO-NRA)のバンド内励起による、近赤外(NIR)から中赤外(MIR)領域における超高速プラズモン変調を実証する。我々は、伝導帯の非放物性に支配されるITOのプラズマ周波数変化に起因して起こる、局在表面プラズモン共鳴の赤方偏移を観測している。我々は、非放物バンドについてプラズマ周波数を一般化し、フルエンスに依存するプラズマ周波数シフトを定量的にモデル化し、貴金属と違ってITOは電子密度が低いため電子分布の著しい変化が可能になることを示す。こうした変化によって、大幅なプラズマ周波数変調がもたらされ、同時に大きな過渡ブリーチと誘起吸収が起こる。これらは、ITO-NRAの形状を調整することによってスペクトルを調節できる。電子熱容量が低いことで、貴金属よりもはるかに速いサブピコ秒の動力学が説明される。今回の結果は、光スイッチング、通信、センシングを目的として赤外プラズモンを制御する新しい方法を実証するものである。

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