Article

高移動度グラフェンにおける赤外プラズモンポラリトンの超高速光スイッチング

Nature Photonics 10, 4 doi: 10.1038/nphoton.2016.45

ナノスケールで光を操作することを目的とした金属ベースのプラズモニクスが成功したのは、想像的な設計と先進的なナノファブリケーションの賜物である。しかし、外部刺激を用いて一般的なプラズモン媒体である金属単体の基本的な光学特性や電子特性を変化させることは困難である。この欠点は、サブピコ秒の時間スケールでプラズモン応答を変化させる必要がある用途において、特に制約となる。こうした欠点があることから、金属に代わるプラズモン媒体の探索が促され、赤外波長向けの最も有力な候補の1つとしてグラフェンが浮上している。今回我々は、高移動度単層グラフェンにおける非平衡光誘起プラズモンの特性を可視化し、解明した。我々は、平衡状態では赤外プラズモン応答を得にくいグラフェン試料において、フェムト秒光パルスでプラズモンを励起した。また、赤外ポンプ–プローブ分光研究の結果とプラズモン伝搬に関する静的ナノイメージングの結果を組み合わせることによって、高純度グラフェン系ヘテロ構造体におけるキャリア緩和の新しい側面を明らかにした。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度