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光共振器中の距離を制御した原子対からの光の干渉と動力学
Nature Photonics 10, 5 doi: 10.1038/nphoton.2016.19
干渉は量子物理学の中核であり、二重スリット実験のように区別できない経路が存在するとき生じる。2個のスリットを単一原子で置換すると光学非線形性が生じ、少なからぬ干渉現象が起こると予測されている。しかし、こうした干渉の観測は、必要な原子分布を調製し、光位相を制御し、微弱な光を検出するのが難しいため、妨げられている。今回我々は、原子を局在させる光格子、単一サイト分解能の撮像系、光を操作する光共振器を組み合せることによって、こうした実験上の課題を全て克服している。我々は、強め合う干渉では共鳴蛍光の共振器誘起飽和を、弱め合う干渉では巨大な光子バンチングを伴う非ゼロ発光を観測している。後者は原子飽和と光子対生成によって説明され、自由空間原子に対する予測と似ている。 今回の実験設定では、どのような原子と光子の数に対してもTavis–Cummingsモデルを実現でき、光–物質相互作用の基本的側面を調べ、新しい量子情報処理プロトコルを実現することができる。