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電気的に励起されるシリコン上の連続波III-V族量子ドットレーザー
Nature Photonics 10, 5 doi: 10.1038/nphoton.2016.21
電気的に励起されるシリコンベースの高信頼性・高効率レーザーは、フォトニック回路と電子回路の完全な統合を可能にすると思われるが、これまではウエハー接合によってしか実現されたことがない。今回我々は、シリコン基板上に直接成長させた連続波InAs/GaAs量子ドットレーザーを実証している。このレーザーのしきい値電流密度は、62.5 A cm–2と低く、出力は室温で105 mWを超え、最高120℃で動作する。3,100時間を超える連続波動作データが収集され、これを外挿することによって、100,158時間を超える平均故障時間が得られた。シリコン上に高性能量子ドットレーザーを実現できたのは、核形成層、転位フィルター層、in situ熱アニールを組み合わせることによって、III-V族エピ層の貫通転位の密度を105 cm−2程度と低くできたためである。今回の結果は、信頼性と費用対効果の高いシリコンベースのフォトニクスとエレクトロニクスの統合に向けての大きな進歩である。