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最適に近い固体単一光子源

Nature Photonics 10, 5 doi: 10.1038/nphoton.2016.23

光量子技術のスケーリングには、識別不可能性の高い単一光子をオンデマンドで効率よく生成する光子源が必要である。半導体量子ドットを挿入したフォトニック構造体は、超高輝度単一光子源となるが、電荷ノイズによって識別不可能性が制限される。パラメトリック下方変換光源は、識別不可能性の高い光子を生成するが、高い単一光子純度を維持するために非常に低い輝度で動作が行われる。これまで、識別不可能性が1に近い純粋な単一光子を生成する高輝度光源を実現させる技術は存在しなかった。今回我々は、電気的に制御される共振器に量子ドットを埋め込んだ構造の単一光子源について報告する。この決定論的に作製された構造体に電気バイアスを印加すると、電荷ノイズが大幅に減少することが示された。共鳴励起下において、g(2)(0) = 0.0028 ± 0.0012で0.9956 ± 0.0045の識別不可能性が実証された。65%の光子抽出と0.154 ± 0.015の輝度測定値から、この光源の輝度は同等の質の光源の20倍となる。今回の新世代光源は、光量子技術の分野において、新たなレベルの複雑さとスケーラビリティーの可能性を開くものである。

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