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シリコンナノフォトニクスを使った効率の高い低雑音単一光子レベル周波数変換インターフェース

Nature Photonics 10, 6 doi: 10.1038/nphoton.2016.64

光周波数変換は、波長可変光源から、量子情報科学のための通信帯域インターフェースまで幅広く応用できる。今回我々は、コンパクト(フットプリント < 0.5× 10-4 cm2)なSi3N4マイクロリング共振器での四波混合ブラッグ散乱による、ナノフォトニックチップ上での効率の高い低雑音周波数変換を実証している。我々は、次の3種の周波数変換を調べた。980 nm帯の中での数ナノメートルのスペクトル変換、1550 nmから980 nmへのアップコンバージョン、980 nmから1550 nmへのダウンコンバージョンである。変換効率は、第一の過程では25%であり、残り2つの過程では60%を上回った。信号変換帯域幅は1 GHzを超え、必要な連続波励起パワーは60 mW未満、背景雑音レベルは数フェムトワットから数ピコワットであった。このデバイスは、InAs/GaAs量子ドットからの単一光子状態の量子周波数変換に適している。結合モード方程式とLugiato–Lefever方程式に基づくシミュレーションを使ってデバイス性能をモデル化し、測定結果と定量的に一致することが示された。

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