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パターニングしたキラル液晶を用いた平面光学素子

Nature Photonics 10, 6 doi: 10.1038/nphoton.2016.66

金属や誘電体のナノ散乱体を利用した反射型メタ表面は、光の位相を制御できるため、注目を集めてきた。しかし、そうしたナノ散乱体にはサブ波長の構造が必要なので、可視域で動作する素子の作製は困難である。今回我々は、自己組織化してらせん構造をとるキラル液晶によって、可視域でメタ表面のような非鏡面反射が可能になることを示す。このらせん構造体によってブラッグ反射される光の位相は、らせん構造の空間位相に応じて0~2πの間で制御できるので、配向の制御によって任意の反射波面を示す平面素子を作製できる。ブラッグ反射に円偏光選択性がある上、外場でブラッグ反射を調節できることから、この種の機能性デバイスは、光アイソレーターからウエアラブルディスプレイまで、さまざまな用途に使用できる可能性がある。

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