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プラズモン増強型太陽光脱塩のためのアルミニウムナノ粒子の3D自己集合
Nature Photonics 10, 6 doi: 10.1038/nphoton.2016.75
プラズモニクスには、光捕獲、光検出、センシング、触媒反応などさまざまな用途に役立つサブ波長スケール集光という特異な可能性があるため、大きな反響を呼んでいる。今回我々は、三次元多孔性膜の中にアルミニウムナノ粒子を自己集合させることによって作製したプラズモン増強型太陽光脱塩装置を実証している。形成した多孔性プラズモニック吸収体は、自然に水面に浮き、96%を超える広い太陽光スペクトルを効率よく吸収し、吸収したエネルギーを水面に集め、約90%という高い効率で効果的な脱塩(塩分濃度を4桁低下させる)を可能にする。また、この装置の耐久性も調べられ、さまざまな照射条件下で25サイクルにわたって性能が安定していることが示された。脱塩効果が大きく、材料が豊富で安価であり、作製工程がスケーラブルであることを考え合わせると、この種のプラズモン増強型太陽光脱塩装置から、持ち運び可能な脱塩システムが実現される可能性が示唆される。