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環境にやさしいAgBiS2ナノ結晶を利用した溶液プロセスによる太陽電池

Nature Photonics 10, 8 doi: 10.1038/nphoton.2016.108

溶液プロセスで作製される無機太陽電池は、第一世代の太陽電池に代わる有望な低価格太陽電池である。低温溶液プロセスと豊富に存在する非毒性元素を併用することによって、製造費用を最低限にでき、行政上の承認が得られやすくなる可能性がある。しかし、現時点では、有望な効率を示しつつこうした特徴の全てを併せ持つ材料は存在しない。研究されている候補の多くは、鉛やカドミウムなどの毒性元素を含む材料(ペロブスカイト、PbS、CdTe、CdS(Se))か、テルルやインジウムなどの希少元素を含む材料(CdTe、CIGS(Se)/CIS)である。その他の候補も、セレン化や焼結などの高温プロセスを必要とする材料や、真空蒸着法に頼る材料である(Sb2S(Se)3、SnS、CZTS(Se))。今回我々は、溶液プロセスによる高性能太陽電池向けとして、地球上に豊富に存在する非毒性材料であるAgBiS2ナノ結晶について報告する。AgBiS2ナノ結晶は、周囲条件下で低温(100℃以下)で作製される。我々は、認証電力変換効率が6.3%で、ヒステリシスがなく、厚さがわずか約35 nmの活性層で約22 mA cm-2の短絡電流密度を示すデバイスを実証している。

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