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半導体物質における光学フォノンの分解サイドバンド・ラマン冷却

Nature Photonics 10, 9 doi: 10.1038/nphoton.2016.122

光の放射圧は、トラップされた原子の冷却やオプトメカニカルシステムのメカニカル振動モードの冷却に広く利用されている。最近、光の電歪力を利用することによって、自発ブリルアン冷却や、ウィスパリングギャラリー型共振器の音響モードの誘導ブリルアン励起が実証された。しかし、1970年代後半にDykmanによって提唱された固体における特定の格子振動(すなわちフォノン)のレーザー冷却は、まだあまり研究されていない。今回我々は、極性半導体であるテルル化亜鉛ナノベルトにおいて、6.23 THzの周波数で縦光学フォノン(LOP)の強い自発ラマン冷却と加熱を初めて実証している。我々は、励起子を用いて、強い励起子–LOP結合に起因するLOPによる光弾性ラマン散乱を共鳴させ促進している。レーザーポンプをより低い(より高い)エネルギー分解サイドバンドに離調して、自発散乱光子をアンチストークス(ストークス)周波数で励起子と共鳴させることによって、LOPの双極振動が光弾性的に減衰(増強)され、より低温(より高温)の状態になる。

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