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点像分布関数エンジニアリングによるマルチカラー局在顕微鏡法

Nature Photonics 10, 9 doi: 10.1038/nphoton.2016.137

近年、超解像顕微鏡法によって、細胞イメージングに大変革がもたらされた。単一点発光体の逐次的位置特定を利用した方法では、約10~40 nmの解像度で空間追跡が可能になる。さらに、点像分布関数(PSF)エンジニアリング、すなわち像面に形成される形状への点光源の軸方向(z)位置のエンコーディングをはじめとするさまざまな技術によって、三次元の追跡やイメージングが可能になる。しかし、高効率マルチカラーイメージングは、局在顕微鏡法では依然として困難であり、生物学的データを解釈する上で最も重要な課題となっている。通常、マルチカラーイメージングには、逐次的イメージングや、複数台のカメラ、専用の分割視野が必要である。今回我々は、三次元位置に加えてスペクトル情報(色)も像に直接エンコードする代替手法を実証している。我々は、色分散を利用することによって、異なる波長について異なるPSFを制御して同時に得る新種の光位相マスクを設計し、単一光路で同時マルチカラー追跡や超解像イメージングを可能にしている。

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