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ナノフォトニクス構造体における曲がった空間による光の制御
Nature Photonics 11, 10 doi: 10.1038/s41566-017-0008-0
ナノフォトニクスは、屈折率の特定の空間分布を持つ構造体を構築する能力に基づいており、従来のナノフォトニクス構造体は、エレクトロニクスの集積回路と同様に、平面環境において作製されている。今回我々は、一般相対性理論の概念に着想を得た、媒質の空間曲率によって光の進行が制御される複雑な三次元設計の新種のナノフォトニクス構造体を提示する。我々は、巨大ブラックホールの周囲の空間を記述するシュワルツシルト計量に着想を得た放物面構造体における光の進行を調べて、この概念を実証している。 我々が作製した構造体は、曲がった空間の構造体の中を伝搬する波束の軌道、回折特性、位相、群速度を制御できる。最終的に、今回の構造体は、導波モードから放射モードへ変わり、さらに導波モードに戻ることによって、電磁気的なボトルネックを介したトンネリングを示す。 この一般的な概念は、曲がった空間のナノフォトニクスの基礎となり、集積フォトニック回路に利用できる。