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金属/半導体界面におけるプラズモン結合
Nature Photonics 11, 12 doi: 10.1038/s41566-017-0049-4
プラズモニックナノ粒子を半導体基板に集積化することによって、強い光共鳴が生じ、光触媒活性や光起電活性のスペクトルが拡大され増強される。プラズモン共鳴の効果は、増強された光活性の作用スペクトルに基づいて、場によるナノ閉じ込め、プラズモン–励起子結合、ホットエレクトロンの移動などさまざまな要因によるとされてきた。しかし、基板中の高エネルギーキャリアが、一般的に考えられているとおり金属からプラズモニックに生成されたホットエレクトロンの移動によって生成されるのか、あるいは界面でのプラズモン場のディフェージングによって直接生成されるのか、よくわかっていなかった。今回我々は、二光子光電子分光法でコヒーレンスとホットエレクトロンダイナミクスを直接調べることによって、典型的なAgナノクラスター/TiO2ヘテロ接合におけるホットエレクトロン生成には、その化学的界面をまたがる直接プラズモン結合が重要であることを実証している。Agナノクラスター/TiO2ヘテロ接合における励起エネルギー、時間、物質分布から、基板との誘電的結合によってAgナノ粒子のプラズモン共鳴がリノーマライズされ、そのディフェージングによって10 fs未満の時間スケールでTiO2においてホットエレクトロンが直接生成されることが示されている。