データ伝送用のトポロジカルビットとしての光ファイバー中の偏光分域壁

分域壁は、対称性を破る相転移で生じるトポロジカル欠陥である。強磁性材料の分域壁（磁壁）は盛んに研究されており、磁壁は、磁気双極子が反対に揃った隣接する領域の境界で核形成する。しかし、磁壁の光学版はこれまで十分に調べられていなかった。本論文では、従来型の光ファイバーにおいて、局在した偏光の結び目という形で普遍的な種類の偏光分域壁が存在することを実験的に立証している。我々は、正常分散ファイバーのカー限界を超える光データ伝送に、偏光分域壁の結合特性を用いている。特に、明確に定義された偏光分域壁列のトラッピングエネルギーによって、長さが10 km長の正常分散光ファイバーに沿って28 GHzの伝送速度で偏光の結び目のひずみのない伝搬がどのようにして可能となるか示す。今回の結果は、非線形光学ファイバー光学におけるキンク–反キンク孤立波伝搬を初めて実験的に観察したものである。