Article

高強度テラヘルツ放射を生成するためのフェムト秒レーザー駆動ワイヤー誘導型ヘリカルアンジュレーター

Nature Photonics 11, 4 doi: 10.1038/nphoton.2017.16

過去50年にわたって、シンクロトロン放射で超高輝度光を生成できることが大きな関心を集めてきた。これまで、変調場において相対論的電子を蛇行させるのに、数センチメートル周期の磁場アンジュレーターが一般的に用いられてきた。今回我々は、フェムト秒レーザーによって駆動される自発電場に基づいて、周期をサブミリメートルレベルまで短くした新しい小型アンジュレーターを提案する。細い金属ワイヤーに高強度レーザーパルスを照射することによって、高エネルギー誘導電子とジャイロトロンに似たアンジュレーターの両方が、自発的に生成される。ワイヤーで瞬時に生成された強い径方向電場によって、ワイヤーに沿って電子のらせん運動が誘導され、周期的THz発光が生じる。我々は、この方式で変換効率1%の高強度THz光源を作製でき、ワイヤーの直径を調節することによって周波数を調節できることを実証している。また、10倍以上に増幅されたTHz放射光の発生が観測されている。

目次へ戻る

プライバシーマーク制度