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マルチモードファイバーにおけるビームの空間的セルフクリーニング
Nature Photonics 11, 4 doi: 10.1038/nphoton.2017.32
現在のシングルモードファイバー(SMF)システムの容量不足を緊急に克服する必要があることに加え、最近複雑なマルチモード非線形光学系が進歩したため、マルチモード光ファイバーが再び注目を浴びている。今回我々は、高出力レーザーパルスの全光超高速横方向ビーム操作を行う手段として、標準的なマルチモードファイバー(MMF)を使用できることを実証している。今回の実験データは、グレーデッドインデックス(GRIN)型MMFにおけるカー効果がスペックルひずみを克服する駆動機構であり、ファイバーの曲げに対してロバストで空間的にクリーンな出力ビームを生成する直観に反する効果が得られることを示している。今回の観測結果は、誘導散乱(ラマン散乱やブリルアン散乱)などの散逸過程が存在しなくても、MMFの基本モードへの非線形ビーム再整形を実現できることを実証している。