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超伝導ナノワイヤー・ディレイラインを利用した単一光子画像化装置
Nature Photonics 11, 4 doi: 10.1038/nphoton.2017.35
個々の光子の空間的情報や時間的情報は、分光法、通信、生体画像化、天体観測、量子情報処理への応用に不可欠である。今回我々は、単一光子検出器であるだけでなく高効率マイクロ波ディレイラインとしても機能する単一の連続超伝導ナノワイヤーを用いた、スケーラブルな単一光子画像化装置を実証している。ここでは、光子検出パルスがナノワイヤーに導かれ、ナノワイヤーの両端における検出パルスの到達時間から光子吸収事象の位置と時間の読み出しが可能になっている。我々は、実験的に、パルス伝搬速度を自由空間の光速の約2%まで減速した。我々は、286×193 µm2の領域を蛇行する長さ19.7 mmのナノワイヤーにおいて、時間分解能50 ps(半値全幅)で約590個の有効画素を解像できた。今回のナノワイヤー画像化装置は、時間的・空間的な高分解能光子画像化を行うスケーラブルな手法を提示するものである。